あの時のこと

 
令和2年の私の不注意による交通事故で多くの皆様にご心配とご迷惑をおかけしましたことを大変申し訳なく改めてお詫びを申し上げます。
今でも、当時私のとった愚かな行動の全てに、説明がつきません。それ程パニック状態でした。その反省を込めて当時を振り返ります。

令和2年3月23日午後3時26分頃に見通しの悪いT字路交差点で、左から来る車の後に続いて進行しようと、時速10キロメートルで右折を開始しました。

すると相手車両が突如として減速し、私はあわててブレーキを踏みましたが、間に合わず左前部バンパーと相手方の後部右バンパーとが衝突しました。

その時はお互いに車同士の軽い接触事故だと勝手に思ってしまいました。今は、すぐ相手と話さなければならなかったこと、警察に連絡しなければならなかったことは分かりますし、このことは今も反省もしています。

しかし、その時は、事故直前に息子が町医者から大病院へ送られ緊急入院、緊急手術が必要との連絡を受け、妻の市会議員補欠選挙出馬のこともあり、気が動転してその場を離れてしまいました。これが大きな失敗の始まりになりました。

その後、事故のことが警察に通報されていて、その夜電話で警察署に呼ばれましたが息子の事もあったので、警察に行く前に弟に相談してしまったのです。これが弟を巻き込み、警察に誤解を与えるきっかけになりました。

全ては、私のためを思って、弟が申し出たことですが、その原因はすべて私にあります。当日はそのまま二人とも家に帰されました。

その一週間後の3月31日午前六時頃警察に連行され事情聴取を受けた後、逮捕されました。理由は、飲酒の証拠隠滅の恐れと逃亡の恐れでしたが、私も全面的に取り調べに応じ、飲酒はしていないことの証人を挙げて説明したこと、息子の入院先にも警察が訪問し確認したこと、私の弁護士が、茂原警察に出向く申し入れに対し「大丈夫だから」と警察に制されたこともあり、更に息子の手術の当日でもあり、なぜ一週間後にと大変驚きショックでした。

しかし、事は大きくなりました。『現職市議のひき逃げ、知人を身代わり』と言う報道の見出しがニュースになったのです。

取り調べは、『同乗者がいたのでは』『飲酒運転』『ひき逃げ』の三方向で、警察の作ったストーリーの元、あたかも背景に大きな疑惑があるかのように疑われ、さながら刑事ドラマのようでした。

一番疑問だったのは、全く身に覚えのない別の刑事による茂原市長選挙での怪文書や金にまつわる取り調べでした。

検察の調査の結果は、時速10キロメートルの衝突で、衝突時、怪我が認識できる程の事故ではなかったこと、相手の方も以前から腰部については治療中であった事から道路交通法違反の救護義務違反は科されず、ひき逃げは不起訴となりました。もちろん、疑われた飲酒はしておりません。

停止線での停止がなく停止線を越えて停止したこと、その場から立ち去ったこと、そして弟への身代わりの罪で、罰金60万円となりました。救護義務違反ではなく、事故の「報告義務違反」でした。

今でも当時の私の行動は、自分自身なぜだか分かりません。

市長選出馬に関する仕組まれた落とし穴、そしてその思いの強さと妻の市会議員補欠選挙とがジレンマとなって最後まで消えずストレスからうつ状況になったこと、そして突然私に息子が胸の痛みを訴え、町医者から大病院に送られ入院することになったことなどで、精神的に追い詰められていたことを周りの人は感じており、息子の手術日(午後)の午前中に、心療内科受診の予約も入れておりました。

感情のコントロールができないまま気が動転し、正しい判断ができなかったのではと考えます。

警察は、まさにその日の朝六時に十人以上の体制で、やってきたのです。後でわかったのですが、テレビや新聞の報道には驚きました。その反響の大きさにも。

時速10キロメートルの事故がこんな大きなニュースとして取り上げられ、妻や子供たち、90歳になる母、兄弟、親戚、応援者などに多大な迷惑をかけることになったのです。

自分のしたことの過ちの大きさに、ただ責任を感じています。妻は補欠選挙への出馬を取りやめ、息子の手術の当日に逮捕されたため、病院に行けず息子にも申し訳なく自分の行動の代償は大きく、悔やんでも悔やみきれません。

しかし、罰金刑が決まったのち刑事の「ひき逃げにしたかったが残念だ」という捨て台詞は生涯忘れることができません。そして、日本の逮捕に対するマスコミのイメージで、今まで積み上げてきた全てを一瞬にして失いました。

私は、今まで人生を全うに生きてきました。そして、人の為、地域の為と行動してきました。しかし、車に追突しその場を離れ逮捕されたことの責めを受けなければならないのは事実で、私の弱さが引き起こしたことと、大変申し訳なく思っています。

今、私は、この教訓を生かしながら、一からやり直そうと決意し、新しい出発をしようとしています。

初谷幸一(はつたにこういち)